NZ News & 雑学

新首相誕生。クリス・ヒプキンスってどんな人?

新首相誕生。クリス・ヒプキンスってどんな人?

1月18日に辞意を表明したカリスマ的NZ首相、ジャシンダ・アーダーン。そのニュースは、あっという間に日本をはじめ世界各国で取り上げられました。 そしてアーダーン首相の後任となる41代目首相に、クリス・ヒプキンスが就任。新首相は、一体どんな人物なのでしょうか。 ヒプキンス首相の経歴 ヒプキンス首相は首都ウエリントンの北、ハット・バリーと呼ばれるエリアで育ち、ビクトリア大学で政治学と犯罪学を学びました。在学中に政府の政策に反対する学生デモに参加、一度逮捕されたことも。(警察による逮捕が不当たっだとして、10年後に謝罪と慰謝料を受け取っています) そして、2008年にウエリントンの周辺エリアを地元に初当選しました。日本に住んでいると、ついつい年齢にも注目してしまいますが、現在ヒプキンス首相は44歳です。 好きな食べ物はソーセージ・ロール(ソーセージ・パイ)で、犬派、趣味は自転車、特技はガーデニングだそう。 ソーセージロールはソーセージをパイ生地で包んだもので、ニュージーランドではポピュラーな食べ物。去年の自身の誕生日には、ソーセージ・ロールをケーキ状にしたものをプレゼントされていました。 ユーモアあふれるトラブルシューター ヒプキンス首相は、アーダーン政権下では、教育相、警察相そして行政サービス相を兼任。2020年には不祥事で辞任した当時の大臣の後任として、保健省のトップ及び新型コロナウイルス対策大臣としても活躍し、感染症対策の中心人物として広く名前が知られるようになりました。そのため、しばしば内閣のトラブルシューターと呼ばれることも。 またユーモアあふれる人柄でも有名。2021年には、コロナに関する会見の中で、“Stretch your legs” (足を伸ばして)というところを”Spread your legs”(足を広げて)と言い間違い。 これには本人も、 あとでさんざんネタにされるでしょうね と苦笑い。会見後には #SpreadYourLegsNZ のハッシュタグで足を広げる人の写真が多く投稿されました。 このときのストーリーはこちらから! ▶︎ロックダウン中のニュージーランドでメディアが明るい話題を提供 最新の支持率が発表に  ヒプキンス首相が就任した5日後、国営放送は最新の世論調査結果を発表。ヒプキンス首相率いる労働党は支持率を5%伸ばし38%となり、支持率低下が続いていた労働党にとって嬉しい結果になりました。 ヒプキンス首相の支持率は昨年のアーダーン首相の支持率よりも高い36%。就任後間もない世論調査なので、国民の「とりあえずヒプキンス首相にチャンスを」といった声が反映された形になったと言えます。 しかし労働党と並ぶニュージーランドの二大政党のひとつであるニュージーランド国民党が、労働党にたったあと1%と迫る37%まで支持率を伸ばしてきており、現在はかなりの接戦です。 10月に行われる総選挙で、労働党が政権維持できるのか、それともニュージーランド国民党が2017年以来6年ぶりの政権奪還となるのか・・・。 ヒプキンズ首相は”Bread and Butter...

ニュージーランドへ行こう!観光業復活の兆し

ニュージーランドへ行こう!観光業復活の兆し

ニュージーランドの観光業界に、復活の兆しが見えてきました。思いの外早く、コロナ禍以前の様に観光業が活発になるかもしれません。 新型コロナウイルスの影響で観光業が大打撃 ニュージーランドは新型コロナウイルスの感染拡大が始まって間も無く国境封鎖を決行。国籍または永住権を持っている人や、政府から許可の下りた人以外は入国ができず、海外からの観光客はゼロに等しい状態に。そのため、観光は国内の観光客のみが対象となり、厳しい状況が続いていました。 入国者数がピーク時の2019年12月には、ひと月で53万人近い外国人が入国していたのに対し、入国規制時には2,000人を割ることも。 それが、昨年の4月にはオーストラリアから、そして5月には日本をはじめとするビザ不要の国から、7月にはほとんどの国からと、段階的に海外からのニュージーランドへの入国が可能になり、インバウンドへの期待が高まっていました。 入国者数が急増 ピーク時と比べるとまだまだではありますが、入国者数の推移をみると2021年4月は5万人、6月には9万人、そして9月には15万人と入国者数が急増しています。 ニュージーランド政府観光局によると、昨年10月にはニュージーランドまでの国際線数と観光者数がコロナ前の57%まで回復したそうです。中でも、オーストラリアからの入国は74%まで、消費額は100%近くにまで回復しているとのことです。 この回復は、予想していたよりもかなり早いスピードであるそうです。 南半球のニュージーランドは今、夏真っ只中。11〜2月は観光のピークで、この夏は良い数字が期待できるかもしれません・・・。   観光局もさまざまなプロモーションを展開中。PR動画は再生数が1.5億を突破したそうです。 人手不足が課題に しかし、ニュージーランドでは今、ホテルや空港、レストランと、どこも深刻な人手不足に陥っています。そのため、予約を受けたくても、受けることができないという状況も発生しているようです。 ジェットボートの運転手から、フロント、シェフ、サービス、メカニック・・・とりあえずどのポジションも人を募集している状態です。 と語るのは人気観光地、南島のクイーンズタウンに拠点を構えるツアー会社。 またオークランドの空港では、一時期1,600人の人材を募集する事態に。深刻な人手不足により、空港利用者がチェックインなどに普段よりも長い時間を要するなどの影響も出ています。 ホテルやホテル内のバー、レストランに人材が足りないと、空きはあるのに予約できる部屋数を減らしたり、週に何日かレンストランを閉める事態に。悲惨な状況です。 と、ホテル業界からも悲鳴が上がっています。 この人材不足に重要な役割を担ってくれるのが、ワーキングホリデービザで入国する人々です。しかし昨年の3月からこのビザで入国できたのは、39,000人中21,000人だったようで、入国管理局の対応の遅さを指摘する声も上がっています。 政府は観光業の人材獲得を促す就職フェアや、学校への教育プログラムなどに予算を投入していますが、人材不足はしばらく続きそう。 ニュージーランドへの旅行は、余裕を持って計画を立てるのが良さそうです。

緊急速報:アーダーン首相退任を発表

緊急速報:アーダーン首相退任を発表

ニュージーランドから驚きの速報が。 ジャシンダ・アーダーン首相が1月19日、自身が率いる労働党の集会で、2月7日までに退任することを明らかにしました。 この投稿をInstagramで見る The New Zealand Herald(@nzherald)がシェアした投稿 突然の退任発表 会見で2つの重要な発表があると話し始めた首相は、まず総選挙の日程を今年10月14日とすると発表。 そして 国を率いるのは最も栄誉のある仕事です。しかし同時にもっとも困難な仕事で、力が満タンにあり、かつ予想外の事態にも対応できる余力がなければ引き受けられる任務ではありません。この夏(北半球のNZは今が夏)、これからの1年だけでなく、次の任期へ向けて準備を行おうとしてきましたが、できませんでした。そして今日、首相としての役目を2月7日までには終えることをお知らせします。 と辞意を表明しました。 アーダーン首相は、自身の選挙区における国会議員としての役目は、4月まで続けるそう。首相退任と同時に議員職も辞任しないのは、総選挙が10月となったため、10月まで6ヶ月未満となる4月に議員を辞任すると補欠選挙を行わずに済むことが大きな理由。 アーダーン首相は 更なる4年の任期を務めるエネルギーが残っていない と語り、退任を決意したのに「明確な理由」があるわけではなく、「私も人間だから」と述べています。 議員辞職後の身の振り方は決めていません。次なるステップは今のところなし。でも、何をするにしても、ニュージーランドのためになることを見つけようと思いますし、とりあえず今は、私のために間違いなく犠牲になってくれてきた家族とゆっくり過ごすことを楽しみにしています。 娘のニーヴへ、ママはあなたが小学校に入学する来年は一緒にいられることを楽しみにしている。そしてクラーク、やっと結婚できる。 と、やはり家族が大きな理由であるようです。 アーダーン首相は2019年にパートナーのクラーク・ゲイフォードさんと婚約しており、2020年の夏には結婚の予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大などを理由に延期されていました。 アーダーン首相の歩み アーダーン首相は1980年生まれ。2008年に初当選し、2017年、労働党の党首に就任、その直後の総選挙では議席を大幅に増やすなど低迷していた党の支持率回復に大きく貢献しました。議席は過半数にはおよばなかったものの、ニュージーランド・ファースト党との連立政権樹立が決まり、ニュージーランド史上最年少となる37歳3ヶ月、そして女性として3人目の首相に就任。 2018年には、ゲイフォードさんとの間に第一子となる娘のニーヴちゃんを出産。世界でも初めて首相任期中に6週間の産休を取得したことや、国連の集まりに娘同伴で参加したことも大きなニュースになりました。 2019年の3月にはクライストチャーチのモスクで51人が犠牲となる銃乱射事件が発生。首相として初めての大きな困難に直面することに。しかし、その3日後には法律を変え、銃規制を行うという素早い決断力が世界から称賛されました。 2020年に新型コロナウイルスの感染拡大が始まると、いち早く厳しい入国制限と国中のロックダウンを決行。そのリーダーシップが世界で話題になったと同時に、国民の反発もありましたが、2020年の総選挙では大きな勝利をおさめ、労働党単独での政権獲得に成功しています。 しかし昨年末に行われた世論調査では、物価や金利の上昇といったニュージーランドの経済状況の悪化をうけ、労働党の支持率がアーダーン首相の任期中最低となる32.3%まで落ち込んでおり、首相の退任説も囁かれていました。 労働党の勝利を確信 アーダーン首相は、自身にはエネルギーが残っていないが、労働党には国を率いることができる同僚たちがいると語り、10月14日に行われる総選挙勝利への確信がなければ逆に退任することはなかったと述べています。 労働党の党首選は1月22日に行われる予定。そこで選出される新たな党首が首相となり、アーダーン首相の退任が正式に受理されます。 現在副首相を務めているグラント・ロバートソン氏は、自身が党首へ立候補する可能性はなく、アーダーン首相と同じように党内にふさわしい人材が多くいると語り、今後も党首を支えていく決意を新たにし、...