ギズボーン|NZワインの1年はここからはじまる。世界で最初に朝日が昇る街

00ギズボーン朝日

世界でもっとも早く朝日が昇る街ギズボーン(Gisborne)は、世界中でいちばん日付変更線に近い都市。新年には多くの観光客が集まります。

緯度が低いため国内では比較的温暖な気候で、周囲には美しいビーチがありサーフスポットとしても有名です。長い日照時間と高い気温により、ニュージーランドではもっとも早く収穫がはじまる街でもあります。

北島の東端に位置し、アクセスはオークランドからは車で6時間。飛行機で1時間ほど。隣のワイン産地であるホークス・ベイ地方からは車で3時間の距離です。

01ギズボーン地図

アロマティック品種の白ワイン産地としても知られますが、主力は土壌を活かしたシャルドネ。NZでのワイン生産の歴史は古く、以前は最大の産地として名を馳せたこともありました。

人口は3万7,000人(2018年)と小さな街ではありますが、現在は国内第三位の生産地で、リゾート地・保養地としても知られています。

そんなギズボーンについて、詳しく解説します。

 

豊富な日照時間と温暖な気候の「NZのシャルドネの首都」

ギズボーンは豊富な日照時間がある、とても温暖な地域です。

しかしスコールがあるため気温が上がり過ぎず、さらに夏場の海風が気温を下げる役割をしてくれるので、ぶどう栽培に影響がない気温を保ちます。

 

ちなみに、ギズボーンの年間平均降水量は900〜1,000mm。これはワイン産地としては多い部類に入ります。

土壌はワイパオア川が運んできた細かい粘土質が特徴で、ぶどうにしっかりとストレスがかかります。ぶどうの栽培には比較的冷涼な気候が向いていますが、これにより、温暖な気候でありながらも高品質なワインを生産することが可能になっているのです。

生産されている主な品種はシャルドネで、NZの中では「シャルドネの首都」と呼ばれるほど。

02シャルドネ

その他にも

  • シュナン・ブラン
  • ゲヴュルツトラミネール
  • ピノ・グリ

など、アロマティック品種の産地として有名です。国内の他の産地ではあまり見られない「シュナン・ブラン」が栽培されていることは、ひとつの特徴と言えるでしょう。

しかし、いまでこそ「シャルドネの首都」と呼ばれたりアロマティック品種で有名になったギズボーンですが、以前は違う特徴を持ったワイン産地でした。

以前は国内最大のワイン産地として、いまは品質を求めて

ギズボーンのワイン生産が本格的になるのは、1960年代のことです。

それまでNZのぶどう栽培はオークランド近郊が主体でしたが、より適した土地を求めて徐々に東側に移動していきます。

ちなみに、後にワインづくりが盛んになる南島は、この頃はまだ「ぶどう栽培に適さない」とされていて、マールボロ地方の隆盛はもう少し先のお話です。

ギズボーンに話を戻します。

この地では、豊かな土壌を活かしてワインづくりが盛んになり、1970年代には国内最大のワイン産地として名を馳せます。

この頃の主力品種はミュラー・トゥルガウ

03ミュラー・トゥルガウ

ドイツ・カイゼンハイム研究所のヘルムートベッカー博士の指導で、早く育ち収穫量も多く、かつ様々な土壌に適応する品種として奨励されたことが要因でした。

1980年代まで最大産地の座を維持しますが、少しずつ小規模ワイナリーが増えていきます。その理由は、ミュラー・トゥルガウにあったと言えるでしょう。

それまでの主力品種ミュラー・トゥルガウは、その特性から安売りの原因となっていました。これを問題視したニュージーランド政府の方針・政策によって植え替えが進み、いまではほとんど姿を消すことになりました。

そして台頭する小規模ワイナリーは、それまでのアルコール添加によって整える「安酒」中心ではなく、より高品質で辛口の食中酒としてのワインを生産し、それまでのイメージを覆していくことになります。

現在では、豊かな土壌を活かして生産されたシャルドネが主力品種。パイナップルやイエローピーチ、トロピカルフルーツなどの味わいが特徴です。

バイオダイナミック農法のパイオニア「ミルトンヴィンヤーズ」

ギズボーンの小規模ワイナリーのいくつかはバイオダイナミック農法を実践しています。

その代表格はミルトン ヴィンヤーズ(Millton Vineyards)で、ニュージーランドにおけるオーガニック・バイオダイナミック農法のパイオニアとして知られています。いまではニュージーランドでも多くのワイナリーが取り入れていますが、その先駆けと言えるのがミルトンヴィンヤーズなのです。

「ニュージーランドで最初にオーガニックブランドを取った畑」とも言われていますが、その畑でつくった白ぶどう「シュナン・ブラン」で一躍有名ワイナリーとなります。

その後1989年にはワイナリーとしては初めて、NZの公的オーガニック認証「Bio-Gro(バイオグロ)認証」を取得。

さらに2009年には世界的なオーガニック認証団体である「Demeter(デメター)」の認証も取得します。

また、ワインづくりにおけるバイオダイナミック農法の先駆者が設立した「ルネサンス・デ・ザペラシオン(Renaissance des Appellations)」の、ニュージランド唯一のメンバーでもあります。

このように、オーガニックなワインづくりには特別なこだわりを持つミルトンヴィンヤーズ。現在ではバイオダイナミック農法でのワインづくりを志す若い生産者への指導も行い、後進の育成にも力を入れています。

ミルトン ヴィンヤーズ公式サイト

▶︎ご購入はこちら:ボクモワイン

世界で一番早い真夏の初日の出とともにワインを楽しむ

冒頭でも書きましたが、ギズボーンは世界でもっとも早く太陽が昇る街。必然的に新年の初日の出も、世界でも一番早く見ることができます。

 

しかも日本とは違って、NZの新年は真夏です!

 

真夏のお正月!ぜひ体験してみたいですね!

温暖な気候と美しい自然を持ち、リゾート地・保養地として知られるギズボーン。

日本では味わえない真夏の初日の出を見て、さらに小規模ワイナリーツアーに参加すれば、夏のNZをこれ以上なく満喫できるでしょう。

▶︎当店で販売しているギズボーン産ワインはこちら

この記事の筆者

ボクモワイン
ボクモワイン編集部
ボクモワインの編集部です。ソムリエ岩須の監修の元、ニュージーランドやワインについての情報を執筆&編集しています。

この記事の監修

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
1 / 4