NZの羊と人の比率が、1850年以来最小の5対1に。

石黒さんニュース5/26

ニュージーランドが話題に上った時、

「ニュージーランドって、人間より羊の数が多いんでしょ?」

という様な話をしたり、聞かれたことはありませんか?

ニュージーランド統計局の最新の第一次産業に関する調査によると、羊の数は2%減少したということ。調査が始まった1850年代以降初めて、羊と人間の数の比率が5対1にまで下がりました。

1982年と比べると・・・

羊の数が減少したとはいえ、ニュージーランドにはそれでも人の数(現在の人口:約520万)の5倍近くになる、約2,530万頭の羊がいます。

日本に住む私達からするとそれでも多く感じるのですが、1982年の調査では羊と人間の比率はなんと22対1だったそうです!

当時のニュージーランドの人口は約315万人。今より200万人ほど人の数は少ないですが、それにしてもこの比率はかなり驚きの数字です。

一番多い時で約7,200万頭いた羊は少しずつ減少し続け、今では3分の1に近い頭数になりました。

羊減少の大きな要因は、飼育に関する経費が上昇しているのにもかかわらず、ウールの価格が下がっているからだそうです。特にウールの価格は2013年から2021年の間に、1キロ6.74ドルだったのが3.77ドルと、約半値ほどに下がってしまいました。

牧草地を森林に転換

今回の調査では、羊だけでなく乳牛や鹿も減少傾向にあることがわかりました。

乳牛はピーク時であった2014年の670万頭と比較すると8%減少。特に北島ではピーク時と比べ11%減と、南島の5%減と比べると大きな減少率となりました。

今まで牧場として使われてた土地が売却され、林業に転換しているというのも、家畜数減少の要因の一つであるそうです。しかし、この場合(牧場から林業への転換)の林業は、木材確保のための林業を指すわけではありません。

温室効果ガスの排出量を売買する仕組みである「カーボンクレジット」のために、牧場だった場所に植林して森林を管理しているのです。

「カーボンクレジット」とは、例えば森林を管理する会社など、温室効果ガスの削減や吸収への取り組みを行う企業から購入できるクレジットのこと。そして、温室効果ガス等の排出削減が難しい産業では、そのカーボンクレジットを購入し、自社が排出する温室効果ガスの埋め合わせをするのです。

そのようなカーボンクレジットに対するニーズから、現在は牧草地から森林への転換が進んでいます。

羊牧場でサーフィン?!

もう一つ、羊がらみ?で面白いニュースをお伝えします。

なんと、羊牧場でサーフィンができる!?

▶︎1news|How surfers are catching waves on an Otago sheep farm

友達とビールを飲んでいる時に湧いたアイディアなんです

そう語るのはYourWaveの開発者、ロス・マカーシィさん。

YourWaveは、イベント等でよく見かけるエアー遊具(子供達が中に入ってジャンプして遊ぶ、空気で膨らませた遊具)のような物の上で、人工の波を作り出し簡単にどこでもサーフィンが楽しめるというもの。

海から離れた、南島内陸の小さな田舎町で開発され、現在、羊牧場の一角で試験運用中。海外からも早速問い合わせが来ているとのこと。

広い土地や、多額の初期投資を必要とせず組み立ても簡単なので、どこにでも導入可能だそうです。

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
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