未だ被害の全貌見えず。大型サイクロンがNZを直撃

石黒さんニュース

3週間前にオークランドで起こった大雨に続き、今度は大型サイクロン「ガブリエル」がニュージーランドを直撃しました。北島東部の一部の地域に壊滅的な被害が。

▶︎オークランドで起こった大雨被害についてはこちら

「ガブリエル」は、2月12日からニュージーランド北島を中心に大雨と激しい風をもたらし、14日には政府が非常事態宣言を発令。ニュージーランドでの非常事態宣言は、日本人28人も犠牲となった2011年のクライストチャーチ地震、2020年の新型コロナウイルス感染拡大時に続き、史上3度目です。

被害額は80億ドル超

「ガブリエル」は16日に勢力を弱めながら、NZを離れましたが、ホークス・ベイエリアを中心に街は冠水しました。洪水や土砂崩れも発生しており、道路が閉鎖され孤立する都市も。農畜産物への被害も広がっています。

死者は2月21日現在11名確認されており、2,000人以上が行方不明者となっています。

ニュージーランド政府は20日、今回のサイクロンによる被害額が80億ドル(約6,700億円)以上になる可能性があると発表。3億ドル(約250億円)の緊急復興対策費を計上すると伝えました。

NZ首相は就任たった1ヶ月で、オークランドの洪水と今回のサイクロンの対応に追われ、大きな試練に直面しています。

ニュージーランド赤十字のスタッフと現場を訪れるヒプキンス首相(左から2人目)。

動物たちのレスキューストーリー

動物たちのレスキューストーリーも届きました。

Instagramのこちらの投稿、1枚目の写真には泥まみれの小さな子豚が写っています。なんとこの子豚、たまたまこの家の寝室に流れついたとのこと。マットレスの上で休んでいるところを発見され、その後ラッキーと名付けられ保護されているそうです。

2枚目は、洪水に見舞われたホークス・ベイで泥にはまってしまった牛。発見した地元の人が、その様子をSNSに投稿し、助けを求めました。すると、復旧作業に当たっていた人たちがすぐに集まり、6人がかりでの救出劇が繰り広げられました。

3枚目は、洪水の高さが一時6mに達したにもかかわらず、無事救出された犬のルーシー。救出後は「ラッキー・ルーシー」と改名されたようです。

ニュージーランド赤十字に5億円の寄付が集まる

ニュージーランド赤十字は大手新聞社NZ Heraldとその親会社NZMEと協力し、2月17日からWebサイトで寄付を募り始めました。募金は開始して、1日半後には約2億、週末には4億、そして4日間で5億近い寄付が集まったとのこと。

寄付はこちらのページからクレジットカードで簡単に行うことができます。

▶︎New Zealand Disaster Fund | New Zealand Red Cross

ニュージーランド史上、最も大きな災害の一つとなった今回のサイクロン。今後も被害者数が増えるとみられ、まだ被害の全貌が掴めていない状況です。

最も被害が大きかった北島の東部、主にネイピア、ヘイスティングスでは、サイクロン到達から1週間たった今でも3万戸近くが未だ停電しているようで、復旧には時間がかかりそうです。

この記事の筆者

石黒
石黒 沙弥
高校・大学時代を過ごしたNZを故郷と愛する。購入するワインは100%NZで、常備しているのはSILENIのソーヴィニヨン・ブラン。マーマイト大好き。歴代彼氏の半分以上がKiwi。
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