野球とワイン

先日、プロ野球のオープン戦を見にバンテリンドーム ナゴヤに行ってきました。

ふと当日に思い立って行くことにしたので、チケットはほとんど残っておらず、なんとか取れたのはビジターの外野席。ヤクルトファンのビニール傘に囲まれて観戦しました。

面白かったのが、後ろの席の野球が大好きであろう青年。それほど詳しくない友人にずっと解説していました。

友人 「はじめてドームに来たけれど、人工芝ってすごく綺麗だね」

大好き青年 「ああ、今の人工芝は2年前に張り替えた6代目。はじめてツートンカラーを採用したんだよ。綺麗だよねえ。」

おい!ビール吹くじゃないか、詳しすぎるだろう!

選手の情報にもかなり精通している。おそらく毎日スポーツ新聞を熟読しているレベルだ。

「この時期にしては仕上がってるな」とか、「今のゴロのさばき方はちょっと危なかったぞ」とか。

その話を前の席でタダで聞いている僕は、終始ニヤニヤ。もう楽しすぎました。

ラジオ中継やテレビ中継のプロによる解説も良いけれど、客席の達人による解説も、じゅうぶん面白いコンテンツになるなあ。

帰り際、危うくその達人に解説代を払いそうになりました。

ところで、僕には毎回ドームに行くたびに抱く夢があります。それは・・・

「中日ドラゴンズの優勝」

ではなく(今年はAクラスがいいな、くらいの謙虚な夢はあります)、

「美味しいワインを飲みながらプロ野球の観戦をする」

です。

いや、野球観戦のお供と言えばビールでしょっていうのは、わかってますって。

頑張っている売り子さんに注いでもらうと美味しく感じるし、売ってるおつまみもビールにあうものばかりだし。

でもね、ワインって、そろそろここ名古屋でも「お祭りに似合うお酒」になってきていると思います。

実際、去年のお花見イベントで行われたワインのお祭りにはとんでもない数の人が列をなしてワインを買っていたし、僕が過去に出店した野外イベントでも、ニュージーランドワイン、しっかり売れました。

スポーツ観戦はお祭りです。非日常です。そんな場のお供に昇格しても良いくらいの市民権は得ていると思うんです。

ワインが売れれば、当然おつまみも出る。生ハムとかチーズとか置いたらちゃんと売れると思います。

それに何と言っても良いのは、ビールと違ってトイレが近くならない。

ドームで野球観戦しているとき、相手チームの攻撃になると途端にトイレが混み合います。あれはビールのせいです。

せっかく生で見にきたのに、トイレに行っていたせいで肝心なシーンを見逃したなんて人も多いです。

その点ワインは、トイレ頻度がちょっとましです。

序盤は白。ロゼをはさんで、後半は赤。

ああ、ゲームの流れにあわせてワインを楽しむなんてことができたら最高だろうなあ。

と思って、今、ネットで「バンテリンドーム」「ワイン」で調べてみました。

そしたら、あるじゃないの!

シーズンシートで「レストラン・テーブル」という席を買うと、お料理とワインが出てくるようで。

お値段は・・・2席1セットで95万円。4席1セットで190万円。ひええダメだ。ハードル高すぎます。

それとは別に、法人向け専用の「プライムワン」という席にもどうやらワインリストがあるらしい。ううむ。

この席を契約されている法人様に出会いたい。そして連れてってほしい。ワインを注ぐ係、喜んでやりますので。

そんな奇特な方との出会いがあるまでは、売店にワインが登場するのを待つしかないか。

待てよ。

さらに検索結果を見ると・・・

こ、これは、僕が3年前に書いたブログの記事じゃないか。

そこには、「野球場にワイン党を送り込む作戦」というタイトルで、さっき書いたこととほぼ同じことが書かれておるではないか。

せ、成長していない、俺!

この記事の筆者

岩須
岩須 直紀
ニュージーランドワインが好きすぎるソムリエ。ラジオの原稿執筆業(ニッポン放送、bayfm、NACK5)。栄5「ボクモ」を経営。毎月第4水曜はジュンク堂名古屋栄店でワイン講師(コロナでお休み中)。好きな音楽はRADWIMPSと民族音楽。最近紅茶が体にあってきた。一般社団法人日本ソムリエ協会 認定ソムリエ。
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